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こぎん刺しのある暮らし。糸と色屋/薩摩川内市在住・作家 “事務職スキルを活かして”

 

昨年、薩摩川内市宮内町にあるハンドメイド委託shop「Smile House」さんに訪れた際に見つけた、カワイイ刺繍小物、こぎん刺しの作品。

 

 

『こぎん刺し』とは、江戸時代から伝わる青森県津軽地方の伝統的な刺繍、「刺し子」のひとつ

 

◆由来◆

江戸時代、津軽の農民たちは麻の着物しか着ることが許されなかった。津軽の厳しく長い冬を少しでも快適にやり過ごすため、保湿と補強のため 、麻布に木綿の糸で刺し子を施すようになり、やがて「津軽こぎん刺し」が生み出された。
縦の織り目に対して一・三・五・七、、、と奇数目を数えて刺す技法で弘前を中心に発展した。

(「有限会社弘前こぎん研究所」HP引用: https://tsugaru-kogin.jp/about-kogin

 

今回、取材したのはそんな『こぎん刺し』作品を制作する、薩摩川内市在住の作家「糸と色屋」ゆみさん

 

光沢を抑えた綿の【淡い】糸で一針一針を丁寧に刺繍した、素朴でほっとするような可愛らしいデザインが特徴的な制作スタイルで、特に可愛らしいうさぎデザインが人気。

 

今回は、そんな素敵な作品についてや、ゆみさん自身についてたっぷりお話しを伺ってきました。

是非、最後までご覧ください。

 

  1. 「糸と色屋」ゆみさんとは?
  2. 『こぎん刺し』を始めたきっかけ
  3. 事務職スキルを活かして【Excel】
  4. ゆみさんにとっての『こぎん刺し』の魅力
  5. カワイイが止まらない!作品紹介
  6. 大人の交換プレゼント!「ステキ便」
  7. おわりに

 

●●●「糸と色屋」ゆみさんとは?

 

 

《PROFILE》

いちき串木野市出身。

子どもの頃からデザインや建築物が好きで、鹿児島市内の短大・デザイン科に進学。

パソコンで絵を描く仕事に就職し、その後は事務職を7~8年経験、その後結婚を機に薩摩川内市へ。現在、2人のお子さんを育てながら作家として活動中。

 

――早速お話しを伺っていきたいのですが、これまでどのようなお仕事をされてきたのですか?

 

ゆみさん:『私はパソコンが好きなんです!事務職をしていたんですけど、ExcelやWordを使ってデータやグラフを作成するのが得意で!お仕事で遊ばせてもらいました(笑)』

 

――パソコン?!凄いですね!作品のイメージからはまったく想像つかないです!

 

ゆみさん:『そうですね(笑)でも、実は「こぎん刺し」とパソコン好きはかなり関係していて。繋がっているんですよ!』

 

――えぇ!パソコンと『こぎん刺し』が繋がるんですか…!?

 

 

●●●『こぎん刺し』をはじめたきっかけ

 

 

――「こぎん刺し」とはどのように出会ったんですか?

 

ゆみさん:『妊娠中に将来ずっとできる何かをしたいな~って考えていて。そんなとき、手芸屋さんで「こぎん刺し」を見かけたんです。その時は、「へ~こういうのあるんだ」って感じでしたが(笑)』

 

――そうだったのですね!では、「こぎん刺し」の作品づくりを始められたきっかけは何ですか?

 

ゆみさん:『親戚に可愛らしいおばあちゃんがいるんですけど、そのおばあちゃんが刺し子をしている姿がとても印象に残っていて。針を持っている姿が素敵だなって。実際、「こぎん刺し」の本を買って読んでみたら、独特なデザイン性に強く惹かれて。それで始めようと思いました。』

 

――素敵なエピソードですね…

 

ゆみさん:『でも、実際に針を持ったのは3年後なんです(笑)』

 

――3年後?!

 

●●●事務職スキルを活かして【Excel】

 

 

――「こぎん刺し」と出会ってから3年後に始めたのは何か理由があったんですか?

 

ゆみさん:『2人子どもがいるんですけど、下の子が幼稚園に入園するまでは危ないなと思って、針は使わないようにしていました。なので、妊娠中から針を使うまでの間はExcelを使って「こぎん刺し」のデザインを考えていました。』

 

――なるほど。だからパソコン好きと繋がるところがあるんですね!

 

ゆみさん:『そうなんです!この独特なデザインを組み合わせて新しいデザインを考えるのが楽しくて!でも、私のつくったデザインだ!と思っても、すでに本に載っているデザインだった…ということもありました(笑)』

 

▼ゆみさんが所有する「こぎん刺し」の本たち

 

――確かに色々なデザインがあるんですね!

 

ゆみさん:『針を持つまでの3年間は、「こぎん刺し」のデザインを考えるほかにも、プラバン制作もしていました。』

 

――プラバンって、透明なプラスチックに油性で描いてトースターで温めて小さくなるやつですか…?

 

ゆみさん:『最近は、印刷でできるプラバンもあるんですよ!これもパソコンを使ってできるので、現在進行形でとても楽しく制作しています!』

 

▼プラバン作品

 

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●●●ゆみさんにとっての「こぎん刺し」の魅力

 

 

――パソコンがお好きなゆみさんですが、「こぎん刺し」にはどのような魅力がありますか?

 

ゆみさん:『「こぎん刺し」は、意外と単純作業で、波縫いでだんだんと連続模様がでてきた瞬間が好きですね。あと、デザインは同じでも、糸や布の雰囲気を変えるだけで全くの別物になるところも魅力の一つです!』

 

――ゆみさんの作品の雰囲気、色使い私もとても好きです!

 

ゆみさん:『淡い色が好きで、くすみピンクやグレーをよく使っていますね。よくなくなる糸は大量にストックがありますよ。(笑)』

 

 

●●●カワイイが止まらない!作品紹介

 

 

――ゆみさんの「こぎん刺し」はどちらで購入できますか?

 

ゆみさん:『基本はネット販売で、宮内町のSmile Houseさんに委託しています!』

 

――イベント等に出店はされますか?

 

ゆみさん:『実際のイベントには出店は考えていないですが、ちょうど今、5月にあるオンラインマルシェに向けて制作中です!』

 

――オンラインマルシェ?!

 

ゆみさん:『知人の作家さんが主催するんですけど、作家さんにインスタライブで作品を紹介していただいて、お買い求めいただくオンラインイベントです!』

 

――なるほど…!実際に作家さんとお会いすることはありますか?

 

ゆみさん:『お会いしたことはないですね。6年前にInstagramアカウントを作って、それからずっとオンライン上での交流を続けてきました。作品に関することや世間話もしますよ。』

 

▼minne

https://minne.com/@yumi-2

 

●●●大人のプレゼント交換!『ステキ便』

 

――私いつもゆみさんのInstagramを拝見しているのですが、よく『ステキ便、届きました』みたいな感じでご紹介されていますよね。「ステキ便」とはどのようなものですか?

 

ゆみさん:『簡単に言うと、作家同士のプレゼント交換です!金額を決めて、その予算内で相手の欲しいものをつくって交換するんです!』

 

――大人のプレゼント交換!ステキですね!!

 

ゆみさん:『そうなんです!お母さんだってお年玉や福袋欲しいよ~って言う気持ちのプレゼント交換会もありました。私はミシンが苦手なので、ミシンが得意な方に「これ作れますか?」ってお願いしています。』

 

▼ゆみさんが刺繍した布を使って、交換便で知り合った作家さんが、「がま口ケース」を制作♪

 

――ステキ便は作家さんのみの参加ですか?

 

ゆみさん:『基本は作家さん同士ですが、「モノは作れないけど参加したいです!」という方もいらっしゃいますよ。その時は、その方がお住まいの地域の美味しい特産品と交換しています!以前は北海道の方にあの有名なクッキーを送っていただきました(笑)』

 

――オンラインマルシェやステキ便を通して全国にお友だちがいらっしゃるんですね!

 

ゆみさん:『そうですね。実際にお会いしたことはないですけど、とても良い関係を築けていると思います。』

 

――それでは、本日はお話しを聞かせていただきありがとうございました。とっても楽しかったです!

 

 


●●●おわりに

 

 

いかがでしたでしょうか?

作品とインタビューの会話からゆみさんの穏やかで優しいお人柄も伝わってきたのではないでしょうか。

 

好きなことや得意なことを活かし、東北の伝統的な刺し子【こぎん刺し】をゆみさん独自のセンスでアレンジ。

こだわりの糸と、その絶妙な淡い色がゆみさんの温かい雰囲気をそのまま表現しているようです。

 

新生活、新学期、新しい季節にさりげないカワイイを。

モチベーションアップ間違いなしです。

 

以上、「糸と色屋」ゆみさんが制作する可愛らしい『こぎん刺し』作品とゆみさんのご紹介でした。

皆さんも是非、「糸と色屋」ゆみさんの作品を手に取られてみてくださいね。

 

それでは。

 

(2022年3月17日取材:早水奈緒)

 

 

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