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藤川地区を語り継ぐ味「臥龍梅餅」待望の再現~なっちゃんパタパタ探訪記~

幻の銘菓「臥竜梅餅」

東郷町で製造、販売されていた藤川地区の銘菓「臥竜梅餅」(がりゅうばいもち)

ニッキの味が舌から心へ吹き抜けるような爽やかな味わいです。
惜しまれながらも途絶えていたこの銘菓を
これからの未来のためにと、熱い想いで再現された方へ取材しました!

久保茶屋外観写真

臥竜梅餅が待望の再販となる知らせを届けてくださったのが
お花や食物の販売と食堂を営まれている久保茶屋さん。

お話を聞かせてほしいとお願いしたところ、再販に至った中心人物であり
河鹿の里を経営されている津田 盛吉さんもお呼びくださいました!

久保茶屋 三代目女将 久保公仁子さん 津田さん 写真

「昔はけしんの木の根を掘っておやつに食べていた。
その味が思い出として染みついている事もあり、臥竜梅餅を食べたくなる」
そう教えてくださったのは、久保茶屋 三代目女将の久保公仁子さん

「臥竜梅餅は子どもの頃にたまに食べられる‘‘ちょっと良いお菓子‘‘だった。
周囲の様々な人がもう一度食べたいとの声を上げ、再現に踏み切った」

思い出と共に故郷の歴史を途絶えさせたくないという
強い想いを津田さんがお話してくださいました。

再現までの苦難の道

臥竜梅餅 木型 写真

レシピも型も無い中で始まった今回の再現製作。
地域おこしを共に頑張っている
洋菓子店の「ル・プレジール」さんに協力を依頼されています。

「和菓子とは真逆の位置にあるからこそ、白紙状態から実現できた」

思い出と記憶の中の味、形を再現することの難しさがあったものの、
後世に残るような現代だからできるアレンジを実現できたそうです。

臥竜梅餅の写真

この日私も食べさせていただいたところ、その繊細な味わいに驚きました

ニッキという独特な風味はあくまでもほんのりと口の中をぬけ、
餡の優しい甘さと求肥のもちもちとした食感がまろやかに包んでくれます。
不思議なのは、舌に残るその後味!

臥竜梅餅でしか味わえない美味しさがいつまでも残り続け、
すぐにまた食べたくなるのが昔から支持される秘密だと感じました。

味わいを通して伝えたい想い

「臥竜梅餅を通して、藤川の良さを発信したい」

春は桜も咲き乱れ、夏には気持ちの良い風が吹き抜け秋は山肌が鮮やかに色めく場所。
年間通して藤川に訪れてほしい、銘菓をキッカケに遠くの方にもこの魅力を届けたい。

そういった未来を見据えた想いも込められているのだとお二人はお話されました。

梅の花の写真

現時点では梅シーズンに合わせての期間販売ですが、通年販売できるようにして
この地区に足を運ぶひとつの目的にしたいと今後の展望を教えてくださいました。

この銘菓を見て味わうことで、藤川に想いを馳せ心に花が咲くような
そんな嬉しい想いが届く存在になってほしいです。

現在は久保茶屋、河鹿の里、LP Cafeで販売されています。
タイミングによって売り切れとなっている場合もあるので店頭でご確認ください。

 

■ 久保茶屋
■薩摩川内市東郷町藤川1013−2
■ 営業時間  8:00~18:00
▷ (食堂) 11:00~14:00
■ 定休日
▷  日曜日


[取材/文/写真:イソノ コウヤ(なっちゃん)]