薩摩川内市の高校生14名が集い、本気の大人達と共に大成功させた「高校生食堂」。
それは、簡単に築いた2か月間ではなかった。
誰もが初めてのチャレンジ。不安や葛藤を抱え、時に衝突することも。
しかし、この活動に捧げる想いが徐々に高まり、チームの結束力は【確固たるものへ】。
一人一人の努力で歩幅を合わせ過ごしてきた日々。
苦境を乗り越え、最後は涙と笑顔で成功を噛みしめた屈強な未来の大人達。
学校も学年も異なる未来の大人達がどのように団結し、成功を収めたのか。
また、「高校生食堂」を企画・運営した大人達が本気で伝えたかったことは何か。
喜怒哀楽、大奮闘した2か月。
未来の大人達のキセキに密着。
❚ 10月3日
初顔合わせ「高校生食堂」オリエンテーションの日。
学校も学年も異なる高校生が集結し、会場は緊張の空気が漂っていた。
自己紹介や参加理由を述べ、実行委員からはこれから活動に向けて熱い講義がなされた。
しかし、緊張をほぐす為に行われた簡単な自己紹介ゲーム(アイスブレイク)をきっかけに会場は一気に盛り上がりを見せた。
そして、終盤は早速次回の活動「生産者訪問」についての説明。
あまり急ぎ過ぎなのではと少し気がかりであったが、そこには大人がそうしたい理由があった。
それは、地元食材に興味関心を持ってもらい、メニュー開発に繋げて欲しいという想いから。
さらに、直前の高校生食堂実行委員会ではこんな意見もあった。
「高校生には、訪問する生産者についてある程度の下調べをしてきてもらいたい。仕事をする上でも下調べは大切な作業、心構えであり、そういった姿勢も大切にしながら活動に取り組んでもらいたい。」(2021.10.5)
初めての活動が「生産者訪問」であった目的。
それは、一次産業者から直接こだわりや調理方法を伺い、メニュー開発に役立てるためだけでなく、“少し先の大人社会に必要なスキルも身につけて欲しい”という大人の想いが隠されていた。
❚ 10月9日
「生産者訪問」の日。
前週とは異なり、軽やかな足取りでやってきた彼等と元気な挨拶を交わす。
そして、“宿題”として大人から出されていた訪問する生産者の下調べについて尋ねると、少し不安げな表情でノートを見せてくれた。
そこには、下調べした内容が丁寧に書かれていた。
そして、移動中の車内ではそれぞれ「夢」を発表。
どのような「夢」や「目標」を持ってこの活動に参加しているのかを知る機会に。
生産者訪問1件目:原田米店
最初に訪れたのは、樋脇町「原田米店」。
講話は「五ツ星お米マイスター・お米ソムリエ 米食味鑑定士」原田匠さん。
お米の美味しい炊き方や、品質にこだわった精米方法、工場内の見学まで。
実際に手で触れ、香りの違いを比べ、試食。
感想を尋ねると、
「蓋を開けたときの香りから全然違いました!!」
『炊き方でこんなに味が違うことにびっくりしました。美味しかったです!』
と、同じお米でも、炊き方や水次第で明らかに美味しさが異なることにとても驚いた様子。
生産者訪問2件目:薩摩八重ファーム
続いて訪れたのは入来町、「薩摩八重ファーム」。
講話は、満園克義さん。
生産者となった経緯から、こだわりの黒豚の調理方法まで。
実際に、満園さんが目の前で調理した黒豚料理を試食。
すると満面の笑みで、
「全部美味しかったけど、特に黒豚の味噌漬けが美味しかったです!」
「ご飯にも合うと思うし、パンに挟んでも絶対美味しいと思いました!」
と、長時間立ちっぱなしでメモを取り続けていたにも関わらず、その疲れが吹き飛ぶほど美味しかった様子。
生産者訪問で得た知識はもちろん、この一日を通して彼等が得たものは他にもあると感じた。
それは、「高校生食堂」のメンバーの一員であるという意識。
当たり前かもしれないが、前週まで赤の他人だった彼等を思うと当たり前ではない。
「高校生食堂」メンバーとして初の団体行動で、不思議と仲間意識が芽生えたのではないだろうか。
❚ 10月10日
生産者訪問の次の日。
開催場所となる、居酒屋「鹿’tariyan」にて初めての活動。
まずは、生産者訪問を踏まえて、活動における「目標」を設定。
今回の「高校生食堂」では、全員が同じ動きをするのではなく調理、接客、プロモーション、全体運営・経理の主に4つのグループに分かれて活動をしていく。
したがって、全体のゴールと個人のゴールに加え、各班のゴールも定める必要がある。
そして、面白い光景を目の当たりにした。
それは、”全員で各班のゴールを考える”こと。
つまり、「高校生食堂」では自分の役割だけを考え、全うすることが目的ではないということを感じた瞬間だった。全員で各班のゴールを考えたのは、目標に向かって“お互いに助け合うこと”であると感じた。
活動のサポートは大人達。
しかし、“仲間”が上手くいかない時、キツイ時、思いやりを持って声を掛け合うのは誰か。
もしかしたら参加していなければ出会うことのなかった“仲間”を、「目標」に向かってどれだけ思いやることができるかが、今回の「高校生食堂」を成功へと導く大きな鍵であると感じた。
そして、全体のゴールは『三方よし』に決定。
全員で各班のゴールを考える中で出てきたキーワードをもとに、自分達(売り手)とお客様(買い手)、関わる全ての方々(世間)の三方にとって、「高校生食堂」が良い影響を与えることのできる活動になるよう『三方よし』が目指すゴールとなった。
そして、二つの班をそれぞれ、“OYAJI’s”、“WAKATE’s”と名付けて活動開始。
《OYAJI’s》
甑島のキビナゴ漁師で実行委員の一人でもある、日笠山誠さんによるキビナゴ調理体験。
日笠山さんをはじめ漁師の方々が命がけで獲るキビナゴを、少しも無駄にせずに美味しくいただくための学び。
命をいただくことへの感謝を忘れず丁寧に調理。
美味しさを伝えることの重みを感じながら。
そして、キビナゴを捌く姿を見て、彼等の純粋さがより伝わった。
日笠山さんの手つきをじっと見つめる眼差しとアドバイスを素直に受け入れる姿。
しばらくすると無言で捌き始めた。
《WAKATE’s》
今回の「高校生食堂」を開催するにあたり、売上目標を全員で把握。
当日の提供数や回転数から売上目標・利益を大人と一緒に計算し、食材原価や消耗品費、広告費、雑費等の予算の目安となるパーセンテージを数値化。
そして、遂に本格的なメニュー考案。
OYAJI’sとWAKATE’sに分かれ、大人も一緒に話し合いに参加。
最初は、「同じ高校生が作って自分が食べたいかどうか」や「とりあえず自分が好きな料理」の視点からアイデアを産出。
その後、出てきたアイデアを並べ、大人より「現実的に提供できるか。」とアドバイスが入った。
話し合いを続けること約2時間。
メニューを絞り込み、両班大きく分けて3つのメニューを考案。
OYAJI’s・・・「9種1プレート」
(豆腐,メンマ,キビナゴ,黒牛,黒豚,黒さつま鶏,野菜,ちりめん,卵焼き)
理由は、薩摩川内市産の食材をできるだけ多く取り入れ、ワンプレートで写真映えもするから。
WAKATE’s・・・「ハンバーグ」,「鍋」
理由は、ハンバーグは小さなお子様から大人まで食べることができるから。
鍋は、開催時期を考慮して、温かいメニューが良いと考えたから。
真剣に話し合った末にまとまった、思いやりが詰まったホワイトボード。
薩摩川内市が誇る一次産業者のこだわり食材と、来てくれるお客様を見据えたメニュー考案。
この日の最初に立てた、「目標」がしっかりと心に響いていたと感じた。
❚ 10月17日
この日の活動のゴールは、“メニュー決定”。
前週にWAKATE’sとOYAJI’sが考案したメニューを試作。
また、自分達で評価を行う為、【高校生食堂 メニュー決め「三方よし」チェックリスト】が配布された。
チェックリストには、全体ゴールの『三方よし』の売り手、買い手、世間の三つの観点から評価できるような内容が書かれていた。
この日の活動はかなり変則的。
開催の11月21日に合わせ、駆け足で複数の活動が同時進行に。
WAKATE’sは、メニューの試作を。
OYAJI’sは、「プロモーションとは?」を学ぶ時間や、接客のマニュアル作りへ。
WAKATE’s:メニュー試作
早速、調理場に立ちWAKATE’sが試作するのは、ハンバーグと鍋。
この日までに大人から出されていた”宿題”は、味付けや鍋の中身についてアイデアを出すこと。
〈宿題で出されたアイデア〉
挽肉ハンバーグや豆腐ハンバーグ、キムチ鍋やすき焼き、ロールキャベツ鍋・・・等。
試作の数はかなりの量に。
実行委員長の坂口聡さんと鹿’tariyan店長の上白石悠さんが活動のサポートに入り、普段あまり包丁を使わないメンバーも調理に挑戦。
先週のキビナゴ調理体験からも伺えたが、少しずつ調理の楽しさを感じている様子。
慣れない調理場で2時間をかけてひたすら試作を続けた。
OYAJI’s:活動①「プロモーションとは?」
一方のOYAJI’sは、実際に「高校生食堂」のHP制作やSNSの配信等を担当された上水樽洋平さんが進行し、高校生と一緒に「プロモーションとは何か」を考える時間に。
配布されたプリントは、“プロモーション”と“広告”の違いについてや、「高校生食堂」でできる宣伝方法について等を考える欄があり、とても積極的な意見交換が行われた。
これまでの活動とは一風変わった新鮮な時間。
”自分達の活動をどのように知ってもらうか、自分達だけにしか生み出せない価値とは何か。”
彼等は何を感じたのだろうか。
消費者が求めている「何か」に寄り添う魅力的なプロモーションが共感を生み、ファンとなり「高校生食堂」に訪れるきっかけに繋がるのではと感じたのではないだろうか。
本格的に活動が始まって3回目のこの日。
少なくとも、自分達の活動の魅力やアピールポイントを意識するきっかけになったのは確かである。
OYAJI’s:活動②「接客マニュアル作り」
開催まで約1か月。
接客を担当するメンバーは、実はほとんど接客未経験。
アルバイト経験のあるメンバーを筆頭に、まずは話し合いが進められていく。
そこに大人の姿はない。
しばらく時間が経過した後に、大人が「一回、ロールプレイングしてみようか。」と声をかけた。
すると、一瞬「えっ!」と固まったが、なんだかワクワクしているように見えた。
初めての接客、初めてのロールプレイング。
イメージしていた動き、メモに書いていたこととは異なる状況に遭遇。
挙動不審になり、照れ笑いで誤魔化す。
彼等の表情は少し曇り、初めて現実的な壁を知る瞬間だった。
大人達からの意見を聞き、再び話し合い。
しかし、時間は限られていた。
OYAJI’sもあっという間に試作の時間に。
そして、試作を終えたWAKATE’sにロールプレイングの反省点と改善点を引き継ぎ。
彼等はこのように異なる活動をしながらもコミュニケーションを取り合い、お互いの状況を把握しながら活動を進めていった。
約2時間でOYAJI’sのメニュー試作、そしてWAKATE’sの接客マニュアル作りを切り上げ、全員で試食の時間へ。
テーブルに並ぶ、ものすごい量の品数。
《WAKATE’s》
《OYAJI’s》
活動も終盤に差し掛かり、達成感でいっぱいの様子。
「いただきます!」の掛け声とともに楽しく試食を開始。
しかし、美味しく食べて終わりではない。
この日のゴールである、「メニュー決定」が待っていた。
「それでは、そろそろ今日の最初に配ったチェックリストを出して評価を!」と、大人が呼びかけた。
各項目チェックを付けて、点数化。
そして、大人達が集計し結果発表。
すると、WAKATE’sのハンバーグと鍋が驚くほど僅差だった。
OYAJI’sの9品ワンプレートは調理時間の観点から6品へと変更。
大人達は「今日中にメニューを決定するのは不可能なのでは」と不安に思っていた。
しかし、当日調理場に立つメンバーを招集。
坂口さんと一緒に話し合いを進め、問題は解決した。
”6品ワンプレートの一品にハンバーグを取り入れ、鍋(ロールキャベツ)を汁物として提供する”という解決策だった。
WAKATE’sとOYAJI’s、どちらのアイデアも取り入れた納得の策だった。
その結果、無事にこの日の活動ゴール「メニュー決定」を見事達成させ、全員が笑顔で解散することができた。
❚ 10月24日
まず、日本政策金融公庫熊本創業支援センターの吉元康喬所長による出張授業が行われた。
内容は、「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」について。
実は、彼等がこの活動で使用しているノート「創造力、無限大ノート」は、そんな日本政策金融公庫の方からいただいたものだった。
同じ高校生がビジネスプランを堂々とプレゼンする動画は、彼等にとっても刺激になったのではないだろうか。
その後、前週の調理時間を考慮し、売上目標の見直しがされた。
経理担当の伊原友寛さんが、「損益分岐売上高」をベースに目標の売上を目指すという新たな策を説明。
受け答えからは、「最低ラインを絶対に越えたい」という意志が強く伝わった。
そしてこの日から、調理班、接客班、プロモーション班、全体運営・経理班に分かれて本格的な活動が始まった。
◆調理班の活動ゴール:
「求められる、選ばれる料理を作る」
調理場に立つ見覚えのある男性。
生産者訪問で伺った「薩摩八重ファーム」の満園克義さんだ。
以前、県内某ホテルで料理人としてもご活躍されていた満園さん。
「彼等の活動をさらに応援したい」という気持ちから、急遽駆けつけてくださったそう。
そんな調理班はこの日、豆腐ハンバーグ、肉巻きメンマ、黒豚角煮、ロールキャベツの4品を試作。
チームワークも0からスタート。
遠慮しがちでコミュニケーションは少なく、この時は“リーダー”も決まっていなかった。
そこに、あるメンバーが必死でメモを取る姿が。
全体運営の大原美優さんだ。
大原さんは全体の把握とまとめを行い、大人へ報告、連絡、相談する役割を担っていた。
この日、大原さんは途中参加であったのにも関わらず、積極的に自分の役割を見つけ、調理班ではレシピのまとめを担当。
調理班の未完成なチームワークも、少しずつ役割分担が行われ調理が捗り始めた。
そして、一人ずつ三品の盛り付けを行い、互いに見栄えを比べた。
活動終了後、満園さんに話を伺うと、
「まだ30点かな。レシピが未完成で、お客様の身になって現実的に考えられていないような感じがしましたね。でも、美味しくできれば良いと思います!”辛かった”ではなく、”楽しかった!”で終われるように。本番の日を心待ちにしています!頑張れ高校生!」
厳しさと一緒に、“期待”を込めたメッセージだった。
◆接客班の活動ゴール:
「お客様から自然に『ありがとう』と言っていただき、笑顔で帰っていただく。」
接客班を担当する大人は「ボス」と呼ばれている、外原亮さん。
この日は実行委員長の坂口さんも加わり指導。
前週のマニュアルを振り返り、早速ロールプレイング。
しかし。
開始早々、細かく動きや言葉遣いの注意が。
繰り返しロールプレイングを行うものの、大人達からの注意は増えるばかり。
初めての接客用語にも戸惑い、表情がだんだんと硬くなる接客班メンバー達。
しかし、彼等はへこたれなかった。
時間を設けて、自分達だけで解決策を話し合い、再度ロールプレイングを行った。
大人達からのアドバイスと真摯に向き合い、本当に一生懸命に取り組んだ。
◆プロモーション班の活動ゴール:
「予約200食を完売する」
メンバーは、古賀龍翔さんと馬場遥奈さんの2人。
まずは、映画のポスターを見比べどちらがより興味を惹くか検証。
海外版と日本版でのアプローチの仕方が異なるという気づき。
そして、プロモーション担当の上水樽さんから早速、2人へ重大なミッションが課せられた。
それは、SNS配信の本気勝負。
内容はInstagramへ1週間毎日投稿し、どちらがより多くのユーザーの反応を獲得したかを真剣勝負するというもの。
まずは、専用の編集アプリの使い方から。
この時の2人は、使い方も慣れずどのような投稿をしようか非常に悩んでいた。
そんな不安を見せた2人が初めてInstagramに投稿したのがこちら。
▼馬場さんの投稿
この投稿をInstagramで見る
▼古賀さんの投稿
この投稿をInstagramで見る
なんと素敵な投稿。
大人達もそのクオリティに驚愕。
あっという間に編集アプリを使いこなした2人。
予約の呼びかけから当日までの活動記録を全て2人で配信。
各班で本格的に活動が始まったこの日。
一時期はピリッとした空気も感じたが、最後は全員笑顔で試作した料理を試食。
❚ 10月31日
この日は、班ごとに別々の場所で活動。
調理班は、当日開催場所の鹿’tariyanで試作。
そして、接客・プロモーション班は「薩摩鶏本舗とり魂いちき串木野」で活動。
【1】接客班
@薩摩鶏本舗とり魂いちき串木野
接客班は、外原さんが経営する店舗で実践研修を行った。
突然の接客本番。
きっかけは、前週の活動での外原さんの何気ない一言から。
「いつまでもロープレをしていてもロープレはロープレだから、一回実際に接客の体験をしてみるのはどうか。」
外原さんの一言に彼等は、「やりたい!」「行きたい!」と目を輝かせたのだった。
開催まで1か月を切り、さらに数日後(11月3日)に控えていた初プレオープンに向け、本格的な接客を経験したかったという。
仕込みの時間から店舗に集合し、メニューに目を通す。
基本的な流れ、検温から座席への案内は練習と通ずるものがあった。
しかし、お客様からの質問や配膳後の立ち振る舞いに対して動揺してしまった様子。
それでも、果敢に挑む姿。
初めてのロールプレイングからたったの2週間。
前週は大人達に次々と指摘され、悔しい思いをした彼等。
それでもめげずに取り組み、急遽決まった接客の実践で、これだけ堂々と立ち振る舞った。
初めてとは思えない程、元気でハツラツとした「いらっしゃいませ!」や「ありがとうございました!」の声を耳にすると、それだけで感動した。
もちろん反省点も多くあったが、とても頼もしく、たくましく目に映った。
【2】プロモーション班
@薩摩鶏本舗とり魂いちき串木野
青空の下、広い海を前に店舗横の休憩スペースにて活動。
1週間本気で勝負してきた投稿の勝敗について原因を追究し、どうしたらより多くのユーザーに届けられるのかを考え、Instagram投稿の下書き中。
接客班の様子を伺いながら、写真撮影をしたり伝えたいことを箇条書きしたり。
1週間前とは取り組みの姿勢が見違えるほど積極的に。
ランチ営業時間が終了し接客班は反省の時間へ。
今日体験して気づいた反省・失敗に加えて彼等が考えたのが自分達の接客のオリジナル性。
この日体験した接客だけでなく、「高校生食堂」だからこそお客様に楽しんでもらえる仕掛けづくりを模索し始めた。
そこで提案されたのが、自分達でメニュー開発を行った“料理の説明”を行うこと。
お客様と関わる中で、マニュアル通りにこなすことが全てではないことを強く感じた様子。
少しずつ自信がつき、余裕が生まれ大切なことに気づき始めた日であった。
【3】調理班 @鹿’tariyan
提供メニューの全品を試作。
坂口さんとサポーターの上白石さんが調理場に入り、1日かけてレシピを模索しながら一品ずつ調理。
前週ではあまり見られなかったコミュニケーションも増え、和気あいあいとした雰囲気で試作。
そして、イメージしていた全ての料理が初めて形に。
1日をかけて調理し、何とも言えない達成感を噛み締めるように最後は試食。
食後には、調理メンバーの3人が手作りで持参した「抹茶ムース」も。
3人とも異なるオリジナルのレシピを提案。
試行錯誤をしながら仕上げたそう。
わらび餅も、もちろん手作り。
大人達もあまりの美味しさに驚きの表情であった。
このように、メニュー決定から2回目の活動でイメージを形にした彼等。
問題や課題はまだまだ山積み。
しかし、前週と比べて確実に一つずつ乗り越え、成し遂げていく。
11月3日初のプレオープン。
一体どのようなパフォーマンスを魅せてくれたのか。
高校生食堂 未来の大人達のキセキ 【前編】
【中編】へとつづく…
▼高校生食堂|未来の大人達のキセキ【中編】
▼高校生食堂|未来の大人達のキセキ【後編】