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祝ウインターカップ2021出場!れいめい高校女子バスケットボール部

高校バスケの最高峰、ウインターカップ(第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会)への出場をかけた鹿児島県予選。夏のインターハイ予選出場辞退という苦難を乗り越え、れいめい高校男女バスケットボール部が揃って優勝し、全国への切符を勝ち取りました。ウインターカップ鹿児島県予選初優勝、初出場となる女子バスケットボール部についてレポートします。

悲願の初優勝で全国の舞台へ!

笑顔いっぱい。仲のいいチームです!

決勝は2年連続で同じカードとなったれいめい対鹿児島女子。昨年は2点差で惜しくも涙を飲んだれいめい。OGも応援に駆けつけた。れいめいのスタートは不動のメンバーとなった4番岩下、8番竹下、17番森、18番永徳の3年生4人に1年生の6番窪薗。ウインターカップ初出場へと王手をかけた試合。立ち上がりは若干の硬さがあったか、0-6と鹿児島女子に先行されるが、キャプテン岩下が気迫あふれるドライブで初得点を挙げると、次第に落ち着いてきたチームはドライブ、合わせで点を重ねて逆転。1年生の14番花田もいいディフェンスを見せ、20-14で1Qを終える。続く2Q、ギアを上げたいれいめいはオールコートディフェンスを仕掛けボールを奪取すると「1-1で負けない!」という気合いの入ったオフェンスで加点していく。一方、伝統の強豪校、鹿児島女子も簡単には主導権を渡さない。タイムアウトで修正をかけると、2Q終わり間際にフリースローから得点を重ね一桁点差で食らいつく。前半終わって39-32。れいめいがやや優位に試合を進めているが勝負の行方はまだ分からない。我慢の続く展開となった。

後半立ち上がり、鹿児島女子が仕掛ける。連続得点を決め、開始3分で同点に追いつく。鹿児島女子の堅い守備に、前半ペイント内を切り裂いていたれいめいのドライブが止まる。互いに力が拮抗し、膠着状態となった苦しい時間帯。れいめい窪薗のスリーポイントシュートが決まり、チームが息を吹き返す。冷静に指揮していた松永監督も思わずガッツポーズが出た一本だった。55-47で迎えた最終クォーター。ポイントゲッターの永徳、竹下が畳み掛けるようにシュートを決め、少しずつ引き離していく。相手のフリースローに対し、高さのある2年生の前田を入れるなど、監督の細やかな采配が光り、選手はその起用にみごと応えた。チームに勝利をもたらしてきたエース森は、相手のマークがきつくストレスもあっただろうが、スクリーンプレーやゴール下で身体を張り、勝負どころのリバウンドをもぎ取った。刻一刻と勝利が近づく最終盤、マイボールをキープしても良い時間帯で、岩下が放ったスリーポイントが決まる。「見ている人がワクワクするような試合をしたい」と語っていた岩下。みずからの手で苦しみを解き放ち、次の高みへと向かう矢のようなシュートだった。試合は72-62で終了。耐えてつかんだ初優勝に歓喜の声が上がった。

ウインターカップ予選の余韻が残る11月はじめ。松永監督に話を聞いた。

―予選を振り返って

「動画など見返しました。いいプレーもあり、優勝できてもちろん嬉しいんですが、それでも練習で言ってて足りていないところ、全国に向けて修正しないといけないところがあります。全国に向かってやっていこう、という気持ちですね。保護者をはじめOG、関係者、県外の方からもいろんな言葉を頂きました。今まで苦しい思いをされてきた方にも報いることができました」

―インターハイ予選出場辞退を経て

「直後はチームも相当落ち込みました。ひとりずつ話をして、簡単には切り替えられないことも分かっていました。ただ、自分たちにはウインターカップという目標がまだある。前を向いて行こうと始動しました。夏から”最後に笑うのは俺たちだ”と、奮い立たせて準備はしてきました。有言実行できて嬉しいです」

後列左から、永徳、竹下。前列左から、岩下、森、大林の3年生

―大会序盤の龍桜戦。チームの士気が上がる出来事があった

「ケガに悩んできた3年生のオフコートキャプテン大林を試合に出そうと、みんなで頑張りました。大林はスタッツをつけたり、選手の様子から私に助言をしてくれたりと、チームに貢献しています。試合終盤に出場機会を得て、5分間でスリーポイント5本決めてくれました。試合後みんな感動して泣いて。チーム一丸となって、いい状態で2週目にいけました」

―ベスト8で川内ダービーとなった川内を倒し、準決勝へ

「(インターハイ優勝の)鹿屋女子を想定していたが、対鹿児島の準備もしていました。鹿屋女子はインターハイに出られて良かったなあと思っていたので5月(IH予選)、8月(IH本選)の記憶がよみがえったというか。辞退の悔しさを思い出しましたかね。その後の全日本選手権予選に協会推薦で出場でき、本当にありがたかったです。試合ができる喜び、感謝を改めてかみしめました」

―鹿屋女子を退けた鹿児島を相手に100点ゲームで勝利

「外からのシュートが良かったでしょうか。ディフェンスを頑張るのは当たり前、オフェンスもいい形で終わらないとだめだよと引き締めました」

―昨年と違い、ベンチ入りの選手は万全の態勢で決勝へ臨めた

「鹿児島女子との決勝は予想していました。福嵜先生はキャリアのあるコーチ、胸を借りる思いでした。2021年1月の新人戦以来、公式戦では当たらなかったですね。2021年3月に練習試合、8月にリーグ戦でハーフゲームはしていました」

―立ち上がりだけリードされたが、緊張があったか

「試合開始直前まで、実はキャプテン岩下の緊張が凄かったんです。ほかのメンバーがキャプテンやってくれるから、今日はポイントガード(PG)に集中していいよと声をかけました。周りはさほど緊張していないように見えましたが、岩下は相当プレッシャーがあったんだろうと思います。PGにコンバートしてからよく勉強してくれました。動画やスタッツを見て研究したり、シュートチャートの意識、戦局を把握するなど、責任感も強くなりました」

―決勝のゲームプランは

「とにかくペイントを制する!相手を60点以下に抑えれば勝てる、とずっと言ってきました。森がブロック2本、リバウンド、ルーズボールで頑張ってくれました。エースだから、点が取れないストレスはあったと思います。我慢強く最後までやり切ったことは評価したいですね。3Qが勝負だと、厳しいプレスを続けていって、それでも上手く行かなかったら、カメレオンディフェンスを変えていこうと指示しました。選手もみんな頷いていたので、同じ考えでゲームに臨めていました」

―監督も耐えての采配が当たりました

「タイムアウトを取るタイミングも考えました。子どもたちを信じようと。窪薗のスリーには思わずガッツポーズが出ました。『ちゃんと打てよ』と、前日の試合で打たなかったことを叱ったところでした。日ごろ一番シューティングをしていたので、大事なところで決めてくれたなと。前田にも『大事な場面で3分、つなぐ場面がくるかもしれない。常に準備だけはしていてくれ』と言っていました。本人も苦しんできましたが、決勝でコールした時に『はい』と覚悟を決めた返事がきて。とにかくできるだけの準備はしてきました」

―竹下、永徳の得点力

「竹下の成長、この1年で一番伸びたと思う選手です。みんなよく頭が回ってましたね、賢くバスケットできるようにと言ってきました。頭を使うバスケットをやろうと。シュートも『思い切って打っていいよ』『シュートは入る』と言い続けてきました。それが実ってくれたのかもしれないですね」

選手から「監督も含めて仲の良いチーム」と信頼される若き指揮官だ

―全国でどんな戦いをしたいですか

「チャレンジャー精神で挑んで、最後は全国で笑いたいですね。予選決勝の反省点もしっかり踏まえて全国へ臨みます。鹿児島県勢女子として、ひとつ勝ちたい。進路のことをいうと、主力の子たちは高校バスケで卒業する予定です。残念な面もありますけど、それぞれの選択です。だからこそ高校バスケで全部出し尽くす!という気持ちで。惜しまれて引退して欲しいですね(笑)」

「去年の先輩たちが”楽しんだもの勝ち”という言葉を贈ってくれました。私も初めての体験、選手と一緒になって楽しみたいです。練習からディフェンスの精度を上げて、とにかくリバウンド、ルーズボール。小さいチームなのでオフェンスを爆発させたい。鹿児島に勝利を持って帰れるように、あと2か月。苦しみたいと思います(笑)」

初出場の勢いに乗り全国での勝利をつかみたい、れいめい女子。初戦は12月23日(木)島根県代表・松徳学院が相手です。地元から熱い応援よろしくお願いします!

ウインターカップ2021/第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会
2021年12月23日~29日 東京体育館/駒沢体育館

バスケットLIVE、スポーツナビ、J Sportsオンデマンド等でストリーミング配信予定です

取材・文/泊 亜希子