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スクールコンサート ~リコーダーとピアノの音色で伝える音楽のハレとケ~

【スクールコンサート開催】
毎年鹿児島県内の各地で行われるスクールコンサート。
6月梅雨の中休み、じめじめとした空気を吹き飛ばすような、
ピアノとリコーダーの爽やかな音色に誘われてやってきたのは
薩摩川内市立黒木小学校。
本年度は会場を分散する形でのコンサートの開催となったが、
少人数でこの音色を堪能できるのはとても贅沢な時間だと感じられる。

今回のスクールコンサートの出演者は『奏屋 吉豊(かなでや きっと)』という
リコーダーとピアノのデュオだ。

写真左:日吉直行氏(ピアノ) 写真右:徳田豊志氏(リコーダー)

徳田さん(リコーダー)は音楽教師としてインドネシアや鹿児島県で教鞭をとった
経験をもとに、小学生が普段使うプラスチック管のリコーダーを使い演奏する。
同じものを使うのに音色が全く別なものに聞こえるのは不思議で仕方ない。

日吉さん(ピアノ)の演奏するピアノの譜面台には楽譜らしきものが一切ない。
そして常にピアノに触れて何かを奏でていて、いつの間にか始まる即興演奏が特徴。
徳田さんはいつ始まるか分からない日吉さんの曲の前奏にいつもドキドキするという。

そして彼らのコンサートのプログラムには演奏の順番が全く書かれていない。
教科書に載っている童謡や唱歌・誰もが知っているジブリ音楽・
先生方がつい懐かしくなる往年のポップソングを中心に取り上げられた。

子どもたちからはこの曲知ってる!とか題名分からないけど聞いたことある!とか、
先生たちも子どもたちにこの曲なんて曲?と聞かれていつもの授業とは逆で
先生が答えるという光景も見られた。

【知ってた?リコーダーの種類】

左から高音のクライネソプラニーノ・ソプラニーノ・ソプラノ・アルト・テナー・
そして右にひっそり映り込んでいるのがバスリコーダーだ。

これがバスリコーダー
リコーダーもこんなにたくさんの種類があると知り子どもたちは
次々現れるその大小さまざまなリコーダーに歓声を上げる。

休憩中にはリコーダーに触れたり、
ピアノに触れたりと普段音楽の授業で触れる楽器であるにもかかわらず興味津々。

【伝えたいのは音楽のハレとケ】

「寝転んで、目を閉じて。ピアノの音と虫の音・風の音を聞いてみて」
後半、日吉さんが驚くべき音楽の聴き方を提案した。
児童らも半信半疑で体育館に寝転ぶ。
日吉さんが得意とするのは即興演奏。
黒木小学校の校歌を穏やかに、そして風と虫の音に合わせて演奏する。
それを目を閉じ寝転んで聞く児童ら。
穏やかな時間が流れる。

徳田さん、日吉さんは
「僕らが伝えたいのは音楽の楽しみ方。
クラシックは敷居が高い・音楽の聴き方は背筋を伸ばしてと言われることが多いが、
僕らが伝えたいのは『普段着』の音楽です。楽しめる聴き方も、人それぞれあっていい」
と言ったことで、このコンサートの内容が腑に落ちた。

この日、コンサートを聴いた児童たちは、本当の意味での音楽の楽しみを
知ったのかもしれない。