鹿児島県薩摩川内市のコミュニティ放送局

移住+ドラフト会議=??

宮崎県日南市油津。
降り立った油津駅はカープレッドがまぶしい。

しばらく歩いた油津商店街のとある店舗の中。
12月の寒さ増す中、あるイベントに参加してきた。

「南九州移住ドラフト会議2018 クライマックスシリーズ」

“移住” と “ドラフト会議” 、一見関係なさそうな二つが合わさって、思わぬ化学変化が生まれている。

そもそも “移住ドラフト会議” とは何だろう?

『プロ野球のドラフト会議に見立て、移住者を受け入れたいコミュニティを持つ地域を
「球団(地域)」、移住を検討している人を「選手(移住志望者)」として指名会議(ドラフト会議)を開催しています。
一連の企画を通じて、「球団」「選手」それぞれがプレゼンテーションを行い、指名会議で「球団」が「選手(移住志望者)」を指名し、指名された「選手(移住志望者)」と、「球団(地域)」には翌日から1年間の独占交渉権が生じます』
(引用:南九州移住ドラフト会議2018公式ホームページより)

ホームページを見てみると、このような説明があった。
移住ドラフト会議をきっかけに実際に移住した方もすでに11名いらっしゃるという。
一年がかりの壮大なイベントで、6月の選手エントリーにはじまり、オープン戦・キャンプを経て移住受け入れ地域と選手がそれぞれをPRする。
10月にはドラフト会議に臨み、その後ドラフト指名した球団・された選手が一丸となって
地域を盛り上げる企画に取り組む。
そして本日、クライマックスシリーズの各球団による活動成果プレゼンをもって一年間の成績が決まる、という仕組みになっている。

 実はこのイベント、薩摩川内市からも上甑島の団体が参加している。
 “上甑島地域雇用・移定住対策協議会”。
移住者を受け入れる側である “球団” としての参加だ。
 “上甑島地域雇用・移定住対策協議会” の山下賢太さんにお話を伺った。

―今回はどういった経緯で参加を決められたのですか?

 山下さん(以下、敬称略):私は移住ドラフト会議が始まった初回から連続で、今回3回目の参加になります。
  前2回は自分の会社(東シナ海の小さな島ブランド 株式会社)として参加していたんです。
  だんだんと島の若い人たちや色々な技術を持った島外の人たちとつながりが増えてきて会社の中も活性化してきたけれど、それを社内だけに留めず、地域の皆さんと一緒になって移住定住につながる取り組みが出来たら良いなと思って。
  今回は上甑島地域雇用・移定住対策協議会のみなさんに相談して参加しました。

 

―今回、力を入れたことは何ですか?

 山下:情報の整理ですね。
  地域の中でこれまで整理されていなかったり情報発信出来ていなかったことだったりを整理して、そこから自分たちに足りないものを分析して、何をしたらより地域のためになるかを考えました。
  具体的に言うと、上甑島には不動産屋さんやハローワークが無いので、空き家や雇用情報の整理です。
  どこの地域が何に困っていて、どんな人を欲しているのかをきちんと把握した上で情報発信していかないと、受け入れ側も来る側も、ミスマッチが起きてお互い不幸なことになってしまうかもしれない。
  だから、自分たちの現状をしっかり知った上で情報発信を正しくやっていく、ということに注力しました。

―なるほど。ちなみに今回ドラフト指名した方はどんな方なのでしょう?

 山下:指名したうちのお一人は看護師さんです。
  これから人口が減っていく中で、島の医療施設の維持も難しくなっていくと思います。
  その方は今すぐに移住という感じでは無いんですが、島外からバックアップしてくれる方との先を見据えた関係性が作れたら良いなというのを期待して。
  移住することだけをゴールとするのではなく、お互いにとって一番幸せな関わり方をこれから探っていく、という感じですね。

 

 山下さんのインタビューにも出てきたが“移住”と名がつくものの、それだけが目的のイベントではない。
 このイベントで、球団(地域)と指名選手(移住希望者)はもちろん、参加球団同士・選手同士のつながりも生まれる。

 ここで生まれた様々な形のつながり。
 それがこの場からどんどんと広がっている。
 選手として参加した方の中には、指名球団以外の地域にも実際に足を運び、まちを見てまわった方もいる。
 選手同士でそれぞれの地域の課題を情報共有して、共に解決に向けて考える、ということもあったようだ。
 「自分の住んでいる場所以外の地域や人と関わってみたい」「なにか新しいことに取り組みたい」という共通の思いを持つ人たちが、1対1だけでなく同じ場を共有してたくさんの人たちと、地域と関わり合う。
 球団側も選手側も、そこで混ざり合ったアイデアを新しい形として、自分たちのふだん生活する場に持ち帰って、そこからまた新しい取り組みがはじまるのだ。

 “移住” と “ドラフト会議” が掛け合わさると、新しい出会いの場が生まれる。
 来年度はさらに規模を拡大して開催予定とのこと。
選手として、もしくは球団として参加してみると、思わぬ縁が広がっていくかもしれない。

リンク:「移住ドラフト会議 2018」
  (※2019年度ホームページは準備中)

井戸端ミックス
中川文香

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