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【農業×福祉連携】閉校した小学校跡地にぶどうの産地薩摩川内市ならではの新施設完成!/旧朝陽小学校

農福連携 閉校校舎を利活用したワイナリーが完成!


薩摩川内市入来町浦之名。
子どもたちの声が本当ならば今にも聞こえて来そうな学び舎がそびえている。2018年惜しまれながら147年の歴史に幕を下ろした薩摩川内市立朝陽小学校
小学校跡地を利活用するというのは現代のスタンダードかつ解決すべき問題として各自治体が抱える問題でもある。そんな小学校跡地がなんと2023年6月5日に薩摩川内市初の「ワイナリー」として産声を上げた。


【見た目は学校そのもの/赤いポストもレトロ】

薩摩川内市は鹿児島県で1位のぶどうの生産地である。しかしワイナリーは一軒もないのが不思議なくらいだ。朝陽ワイナリーではぶどうの生産からワインの製造まで一貫して行う施設になることを目指して2023年6月5日に開所。
薩摩川内市の今後の特産となりうる施設として完成した。


開所式には関係各所、そして地域住民など様々な人が集まり盛大な開所式となった。様々な人々がこのワイナリーの完成を待っていたことがうかがえる暖かい式典になったのではないか。地域の方々が学校内で楽しく話す様子は小学生時代に戻ったかのようで校舎にかつて子供だった方々の元気な声が響いたことは学び舎にもし心が宿っているとしたら、さぞ感慨深かったのではないだろうか。

朝陽ワイナリーは農福連携(※障害者が農業分野での活躍を通じ、自信や生きがいを持って社会 参画を実現していく取組)の取組をも担うということでその分野でも地域貢献が期待される。

ワインの製造


ワインの製造にどのくらいかかるかご存知だろうか。筆者もワインの製造部屋に潜入することに成功した。

中に入ると香ってくるワインの香り。さわやかな香りが漂ってくる。
上の写真のタンクは「発酵熟成タンク」と呼ばれている。このタンクは大きいものが4基、小さいものが2基で構成されている。大きなもので一回の醸造で1000L(およそ1t)、小さなもので一回の醸造で500L(およそ0.5t)を製造することができる。
一次発酵完了まで2週間ほど、さらにタンクの中で寝かせること2~3か月でワインは完成するという。そこから樽にて寝かせると1年もの、2年ものと歴史深いワインが出来上がるという訳だ。

ちなみに樽を校舎の外にて樽を発見。今後使われることになるのだろうと思うと歴史の証人になった気分だ。

早くも7月ごろに朝陽ワイナリーで醸造した最初のワインが!


朝陽ワイナリーでは早くも本年7月にはワイナリーで醸造された最初のワイン(赤・白)が出来上がることになるそうだ。(この日醸造スペースで嗅いだあの爽やかな香りのワインが最初のワインになるのだ。)
名付けて【朝陽ワイン(CHOYO  WINE)】

ボトルデザイン(白)

ボトルデザイン(赤)
ゆくゆくはこのワイナリーで働く皆さんの意見なども取り入れながらラベルデザインなども考えていくという。

今後の展望


現在はぶどう棚は2箇所で展開している。世界一郷水車のある祁答院に1箇所。そして樋脇町の丸山の農場近くに一箇所。今後は一定の収穫量を目指して(目標は6000房)ぶどうの栽培もおこなっていく。今年7月~9月ごろにはぶどうの旬も迎える所で、薩摩川内産のブドウを使用した真の薩摩川内産ワインとして朝陽ワインを世に知らしめていきたい。
そしてそのワイン(初の薩摩川内市産ぶどう使用)が完成するのは早くて2023年の年末ごろを予定しているとのこと。

ワインは正しい保存法をもってすれば100年経ても腐らない。
いつか、今後未来の薩摩川内市民たちが薩摩川内市の100年もののワインといって口にする日もあるのかもしれない。

薩摩川内市という土地がますます元気になっていくだろう取組から目が離せない。

●朝陽ワイナリー●
〒895-1402 鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名12519
(旧 朝陽小学校)

 

(2023.06.05取材 写真・文 加藤知衣子)