高校生の熱い夏がやって来る!全国高等学校総合体育大会(高校総体)が昨年度の中止を経て、今年2年ぶりに開催されます。5月に入り、高校総体や九州大会への切符をかけた県高校総体が開幕。上位進出が期待される、薩摩川内市のチームを紹介します。
川内商工男子バレーボール部
「爆発力のあるチーム」と田代監督。3年生の覚悟、下級生のフレッシュな力を融合させ、4年ぶりとなる頂点を狙う。
前哨戦となった4月の全九州選手権予選。全国有数の強豪校である鹿児島商業と決勝で対戦し、2-0のストレート勝ちで見事、初優勝を収めた川内商工。しかし試合後の選手たちに笑顔はなかった。準々決勝で思わぬ苦戦をし「敗退も覚悟した」(田代監督)出来だったためだ。試合後、田原キャプテンは「1年生、2年生、3年生がそれぞれの役割を果たし、チーム力で勝つことができた」と振り返り、決勝で獅子奮迅の活躍を見せた1年生の山野は「上級生のサポートがあって自分も頑張れた。優勝できて嬉しいです」と控えめに喜びを口にしていた。
声援ができない会場にハンドクラップが響く。保護者の応援も勝利を後押しした。
初優勝で九州大会への切符を掴んだものの、九州大会は残念ながら中止となった。ひと区切りして次へ!
鹿児島県予選を控えたある日。実戦形式ではOBもコートに立ち、密度の濃い練習が続きます。
田原キャプテン(左)と根比 副キャプテン(右)「でこぼこコンビです」
本番直前。田原キャプテンに話を聞きました。
-チームの仕上がりは?
「(新型コロナウイルスの影響で)対外試合ができないなか、OBやコーチ陣の協力があって、身内だけでもレベルの高い練習ができています。本番に向けて、順調にきています」
(左から順に)3年生の宮内くん、岸森くん、根比くん、田原くん
-キーマンは?
「インターハイ予選は3年生で勝つ!と気合いを入れています」
-ライバルは?
「チームのライバルは鹿児島商業です。キャプテンでエースの馬渡くんに負けないように頑張ります」
-意気込みをお願いします。
「闘争心をスローガンにチーム一丸となって戦います。指導陣から、牙をむくような姿勢が足りないと言われ、自分たちも奮起しました。本番に向けて100%に持っていくために、心技体、すべてにおいて思いを賭けて、大会に臨みます!」
大会を重ね、キャプテンシーを発揮している田原くん。練習中もチームメイトに気遣いを見せる心優しきキャプテンですが、大会では闘争心を前面に出し、勝利へと導いてくれるでしょう!
スタートの8人。1年生から3年生まで「息の合った高速コンビバレー」が商工バレー部のお家芸だ。
スタメン入りの1年生3人。セッターの森くん(左)リベロの飯伏くん(中)アウトサイドヒッターの山野くん(右)
新人戦準優勝からの上積みは、今年入った1年生トリオ。怖いもの知らずのフレッシュな力に期待したい。全九州選手権予選決勝では、セッター森がチームを動かし、山野は力の乗ったサーブ、スパイクで得点を重ねつつ、試合終盤には強打だけでなく巧みなプレーも見せた。山野は谷山北中の出身。全国有数の強豪校から誘いがくるなか「2023年のかごしま国体に地元勢として出たい」思いがあり、「川内商工がいちばん」その目標に近づけると門を叩いた逸材だ。
田代監督(写真中央右)をはじめとする充実の指導陣
川畑俊輔コーチ。鹿児島からVリーグ入りを目指すクラブチーム「フラーゴラッド鹿児島」のゼネラルマネージャーを務める。
練習の最後まで、気合いを入れて
OBとして練習をサポートする大学4年生、元キャプテン・坂元さんの代以来のインターハイ出場を目指す川内商工。指導陣、OB、保護者一体となって大会に向かいます。「先の大会で優勝できたことはひとつ自信として、天狗にならず謙虚に。気を抜かずに戦うことができれば。得点力含めて爆発力のあるチームです」と田代監督も手ごたえを感じている様子です。県予選は5月29~31日、決勝は鹿児島アリーナで行われます。川内から全国へ!川内商工男子バレーボール部の応援、よろしくお願いします。
大会情報
選手が「マネージャーも撮って」と。仲間のアシストに笑顔でした。
(2021年5月 取材/文:泊 亜希子)