硫黄島で戦没したとされる薩摩川内市出身の兵士の日章旗が79年の時を経て遺族に返還されることとなりました。
硫黄島の戦いの際、アメリカ兵によって持ち帰られその息子さんから遺品を遺族に返還したいという申し出があり、依頼されたアメリカの太平洋戦史研究家であるダニエル・キング氏は京都市の歴史研究家である中村信弘氏を通じて調査を行ったところ、その日章旗が薩摩川内市出身・岡元友義氏のものであると判明しました。
返還式の様子。
日章旗には『武運長久』と記され、出征した兵士の無事を祈っています。
また寄せ書きの中に「川内市中村町」と記されていたことや名前が記されそれを手掛かりに遺族が特定されました。
硫黄島で戦没された岡元友義氏の写真。
裏書には 硫黄島に於いて玉砕す 当才二十七歳 と記されています。
日章旗が岡元友義氏の義姪に当たる岡元由美子氏の元へ。
岡元由美子さんは「連絡が来た際実感がわきませんでしたが、遺骨もないのでこういった形でも帰って来られたことは良かった。関係者の方に感謝の気持ちでいっぱいです」と語っていました。
返還された日章旗は、若い人たちに戦争というものを考えるきっかけとなってほしいと薩摩川内市の歴史資料館に寄贈も検討しているとのことです。