アーカイブ

水引中学校「唐浜らっきょう」 最後の収穫体験

薩摩川内市水引町。
薩摩川内市市街地から国道3号線を北上し車で15分ほど走ると、
肥薩おれんじ鉄道の草道駅が見えてきます。
国道3号線に面していながらにして校門をくぐると別世界に訪れたようにのどかな
薩摩川内市立水引中学校。
水引中学校では毎年、らっきょうの栽培、販売が行われています。


水引中学校は昭和22年5月2日に創立以来70年を超える歴史があります。
令和2年5月1日現在で全校生徒64名、PTA戸数54戸、教員数16名で構成されています。
今年は令和2年5月23日、24日にPTAや生徒そして教師たちにより、
らっきょうの収穫体験および販売が行われました。

唐浜らっきょうは薩摩川内市の特産品で『白いダイヤ』と呼ばれています。
唐浜地区の砂地の特徴を生かして作られていて肌が白くシャキシャキした食感が特徴です。
例年10月頃から植え付けを始め9か月かかって生育し、5月から6月ごろに収穫時期を迎えます。
水引中学校では食農教育の一環として昭和59年から始まり、以降36年に渡り、
毎年唐浜海岸の砂地を利用して唐浜らっきょうを栽培・販売していました。
しかし、残念なことに本年度で36年の歴史に幕を下ろすことになってしまいました。


畑に行くと、らっきょう独特の香りが辺りを包んでいました。
畑の広さは5畝(せ)、約500㎡。かつては8畝(せ)もあったそうです。


唐浜海岸近くの畑にて。中学1年生が収穫していました。


前日にトラクターで掘り起こす作業を行ってもらっていたため、
スルスル抜けて気持ちよく収穫できます。


保護者の方も収穫。
実はご自身も水引中学校の出身で学生時代にらっきょう栽培も経験してきたそう。
親子三代で体験した行事が無くなるのはやはり寂しいとおっしゃっていました。


本年度の収穫量は1t強。
収穫したらっきょうは水引中学校へ運び、根切り袋詰め作業。


軽トラで運ばれてきたらっきょうをみんなで下ろしていきます。


収穫したらっきょうは根や葉を切り落としおよそ6cmに切りそろえます。


6cmに切り揃えられたらっきょうたち。


赴任3年目の十田校長先生。
加世田のご出身だそうで
「出身の土地柄でらっきょうには縁があったが
子供の頃は栽培収穫を手伝ったりという経験はなかった。
中学校でらっきょう栽培を体験できたことは貴重な経験だった」
と笑顔で語ってくれました。

水引中学校では本年度で最後のらっきょう栽培になってしまいましたが、
皆さんから出てきたのは「いつかまた復活できたら」という言葉。
そんな日がまた訪れることを願ってやみません。