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縁ジョイ藤本!土曜限定「母ちゃん食堂」/薩摩川内市樋脇町・拠り所ふじもと

 

母ちゃん達の朝は早い。

 

 

薩摩川内市樋脇町「藤本ふれあい商店」に併設する「拠り所ふじもと」には、毎週土曜日限定で地元の元気な母ちゃん達が出勤する。

 

 

―朝7時30分

お弁当づくりが始まる。

販売数は多い時で10個ほど。

 

以前から『お弁当売ってないですか?』と、尋ねられることが多く、昨年11月からお弁当販売の準備を進めてきたそう。

現在は、「母ちゃん食堂」として土曜日限定(※11時~13時)でお弁当・お惣菜の販売、うどん・そばの提供を行っている。

 

(▲完成したお総菜とお弁当を並べる永田さん)

お弁当の中身は、藤本地区で生産されるお米を使用。

全体的に優しい味付けでお米の美味しさを引き立たせる。

 

 

旬の地元食材を使った、母ちゃん達の行き当たりばったりメニューでお客さんを虜に。

もう一度食べたくなるどこか懐かしい母ちゃんの味。

 

 

地元住民のニーズに合わせて、知恵を出し合いながら形にしてきたそう。

 

『身近にある食材を活かして作っています。調理専門の資格を持っているわけではないので、母ちゃん達ができる範囲で活動しています。大変なことは、お弁当のメニューを考えることですね。固定メニューだと飽きられてしまうので、よく昨日作った晩ご飯を参考にしながら作っています。』と、母ちゃん食堂のまとめ役・永山さん。

 

(▲おかずを詰める永山さん)

 

そんな永山さんが試行錯誤を重ねてきたのは、看板メニューになりつつある鹿児島の郷土料理「ガネ」

 

(▲揚げたては格別の美味しさ)

 

材料は、サツマイモ、玉ねぎ、にんじん、かぼちゃ、にら、もち粉、塩、砂糖。

中はモチモチ、外はサクサクの絶妙な食感を生み出すのは、藤本地区で生産された「もち粉」がその秘密を握る。

 

(▲隣接する藤本ふれあい店にて販売中)

 

野菜の甘さを引き立たせるため、使う調味料は砂糖と塩のみ。

甘めに味付けし、夏は塩を多めに。塩分補給の役割も担う。

 

母ちゃん達の絶妙なさじ加減によってその美味しさのバランスは生み出されるが、実は、母ちゃん達も日々試行錯誤しているそう。

 

 

『生地と野菜、水の分量が難しいですね。集中して計量しないと失敗します。親の味を思い出しながら日々精進ですね。』

 

 

11月に母ちゃん食堂が始動して以来、「ガネ」にこだわり続けてきた永山さん。

最近では、即完売してしまうほどの人気のお惣菜に。

 

 

「母ちゃん食堂」のメンバーは、現在6名で活動中。

 

朝の7時からお弁当・お惣菜チームが台所に立ち、10時になるとうどん・そばチームにバトンタッチ。

限られたスペースに2人ずつ台所に立つ。

 

 

―10時00分

11時からうどん・そばを提供する、2チーム目の母ちゃんが出勤。

 

『ガネはできた~?お、ガネの匂いがするね~!』

入り口から元気な母ちゃんの声が聞こえる。

 

 

『今日は朝礼はよかなぁ、けがをしないようにねぇ。今日わたしは高菜の油炒めをしようかと思ってさぁ。ごま油はあるけ?』

出勤と同時に抜群のコンビネーションで準備を進める2人。

 

(▲セットに添える小鉢ももちろん母ちゃんの手作り。)

『楽しく明るく元気よく!70過ぎてからの仕事は生きがいだね。笑っても一生、泣いても一生。人生が終わったときにしか分からないよね。旅人のお客さんも来たりして、話しを聞くのも楽しいよ。』と、話す鮫島さん。

 

(▲とても明るい笑顔で語りかける鮫島さん。)

うどん・そばのこだわりは、鰹節、昆布、あごだしからダシをとって作るお手製のまじめなダシ。

家庭で作る一般のダシをアレンジして作っているそう。

 

(▲手際よくおにぎりを握る田実さん)

(うどん単品350円 ※2022年4月時点)

 

お昼時になると母ちゃん達の動きはスピーディーに。

忙しそうに見えるが、楽しそうな笑顔が見える。

 

母ちゃん達の活躍の場は台所のみならず…食事を終えたお客さんの元へ足を運ぶ。

 

 

『今日はどっから来たの?』

その一言から距離は徐々に縮まり、話しは多方向へ膨らむ。

母ちゃん達のコミュニケーション能力恐るべし。

 

 

『もっとお金とって良いのに!』と母ちゃん達に値上げを勧めるお客さん達。

 

 

土曜日限定11時~13時の「母ちゃん食堂」は、うどん・そばセット各400円、単品350円、ガネ2個入り150円、おにぎり1個50円、という破格のお値段で提供している。(※2022年4月現在)

 

母ちゃん達の手間を考えると、安すぎる。

 

拠り所ふじもとは、利用料として1人100円をダルマさんに入れるとセルフサービスで飲み物をいただくことができる。

 

 

テーブルには可愛らしい花が揺れている。

今日友人宅の庭から掴んできたという「西洋キランソウ」を花瓶に挿す鮫島さん。

 

 

さらに店内を見渡すと、手作りの置物や縫物があり温かみを感じる。

 

 

併設する藤本ふれあい店は、数量限定で販売する母ちゃん達のお弁当・ガネが並び、地元で生産される野菜や米、菓子パン、日用品等の生活必需品がほとんど揃う。

誰もが気軽に立ち寄れる場所。

 

 

地域住民の憩いの場であり、安心して買い物ができる場所。

 

 

土曜日限定の「母ちゃん食堂」

藤本地区に暮らす元気な母ちゃん達の愛と笑顔とおもてなしにたっぷりと甘えてみては?

 

お休みの場合もあるため、最新情報は公式Instagramをチェック!

心の殻をやぶって、母ちゃん達と縁ジョイ藤本!

 

それでは!

 

 

(2022年4月某日 取材・文/早水奈緒)

 

▼Instagram

 

▼拠り所ふじもと(隣接・藤本ふれあい店)

薩摩川内市樋脇町市比野9941-2

定休日:水曜日

営業時間:9時00分~16時00分

☎0996-38-2245

 

~拠り所ふじもとからのお願い~

◉団体でご来店される際は、事前にお電話にてご予約をお願いします。

◉座席の数が限られておりますので、お待たせすることもあります。予めご了承ください。

◉お食事の際は、新型コロナウイルス対策として黙食をお願いしております。

 

※その他、店舗に関するご質問等は店舗へ直接、お問い合わせをお願いいたします。