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合言葉は「川内川を日本一の清流に!」 ~育英小学校 水生生物調査に潜入リポート~

ジメジメする暑さをものともせず、
そしてこの日に限ってあいにくの雨もものともせず、
育英小学校の子どもたち33名はこの日、元気に高城川を駆け巡っていました。

10月中旬。
川内河川事務所で実施する「川内川こども環境ネットワーク」の一環として
小学生対象の水生生物調査が行われました。

 

川内川子ども環境ネットワークとは・・・?

「川内川を日本一の清流にしよう!」を合言葉に、
幅広い層の方々と共に川の水質調査や水生生物調査、ゴミ調査等を進めている環境学習の取り組みのことです。
単なる河川水質の情報収集調査というだけでなく、川内川流域の概要を学び、
身近な川の汚れ具合や生き物たちを知ることで、河川への愛護意識や良好な水環境への関心を
高めていくことを目標に活動してます。
平成15年の開始以来、毎年500人以上が参加し、
参加者数・調査箇所数ともに九州内の一級河川の中でトップクラスの実績なのだそう。

今年度5回目の水生生物調査

今回調査が行われたのは高城川。
すでに学校で行われたパックテストの結果を基に
実際に川の水生生物を調べることで川の綺麗さを調べてることに。

※パックテストとは…
排水検査や飲料水検査で使用される水質検査キットのこと。
これを使用し水質調査を行います。

水質調査では、
・PH(ペーハー)…水の性質
・アンモニア態窒素…生き物の死骸・糞尿での汚れ具合
・COD…水の汚れ具合を示す指標
を調べ数値で川内川と高城川の水質の状況を確認します。

ちなみに、授業では川内川・高城川共に「キレイである」という結果が得られたそうです。

 

いざ!高城川水生生物調査へ!

パックテストできれいな水だと判断された高城川。
実際に川に生息する水生生物を調査し、パックテストと同じ結果が出るか検証していきます。

わくわくした様子の子どもたち。

話を聞きながら熱心にポケットブックを読む子どもたち
「川に入るときはライフジャケットを着てください」
「川に張ってあるロープから外に出ないでください」
川に入るときの約束を確認します。

初ライフジャケットの子もいます。
お手伝いをもらいながら無事装着。

さあ、いよいよ班に分かれて水辺の生き物を見つけよう

網を持ち、石を持ち上げ裏側にいる生き物を見たり


レアな生き物を探す子どもたち・・・
途中、ザっと降り出す雨にも負けず。

捕まえた水生生物の分類をします。
綺麗な川にしか生息できない生き物、
どんな川でも生息できてしまう生き物、
計測することで、その川の水質が見えてくるのだそう。
それぞれ何匹いるのか用意した表に数を記入して計算します。

と、ここでひときわにぎやかな班を発見。
石に張り付いた虫を見せてくれました。

ヒラタドロムシというそうです。

初めて見る生物にみんな和気あいあいと観察を続けます。

最後にはそれぞれの班で見つけた水生生物を基に
高城川の水質を分析し、発表します。

ほとんどの班で、高城川の水質は「キレイ」「ほぼキレイ」という結果に。
小さなころから川に触れる機会の多い薩摩川内市の子どもたち。
この日の調査結果を胸に、いつまでも美しい川内川とその支流を
守っていってほしいものです。

 

2021.10.12 取材・文 加藤知衣子