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川内から全国へ!ウインターカップへ挑む。後編

高校バスケの集大成となるウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権大会)。その代表を決める鹿児島県予選が11月5日から4日間にわたり、サンアリーナせんだい等で開催される。バスケットのまち川内から、最後となる全国の切符を目指す川内高校、れいめい高校、男女4チームの横顔を紹介する。

SENDAI ファイナル  

6月下旬に薩摩川内市の3校男女6チームが参加し、サンアリーナせんだいで開催されたSENDAIファイナル。新年度早々に、新型コロナウイルスの影響を受け学校は休校・分散登校となった。学校にも行けない、部活動もできない期間が続いたあと、なんとか開催にこぎつけた大会だった。

最後の試合となった男子の川内対れいめい。両チームとも引退する3年生を中心に、ベンチ入りした選手を多数出場させながら試合は進んだ。3年間の努力に対するねぎらい、新入生のお披露目の場を兼ねていたフレンドリーマッチはいつしか、真剣勝負の熱を帯びていった。

追い上げた川内と粘ったれいめい。最後まで譲らず迎えた最終盤、互いにスリーポイントシュートを決め合い、劇的な引き分けで試合は幕を閉じた。

チームの垣根を越えて

試合後、両校は揃って円陣を組み、互いの健闘をたたえ合った。試合が出来た喜び、コートを離れる寂しさ。様々な感情に包まれた、美しいクライマックスがそこにあった。

延期となったかごしま国体

少年男子チームには川内・れいめいからも多数選出されていた。8月の壮行試合を最後にチームは解散。川内の東後藤キャプテンは「練習の成果を発揮する舞台を失ってしまったことは非常に残念です」としながらも、披露する場が設けられたことに感謝の意を述べた。

ウインターカップに挑む、川内の3年生

時は流れて10月。SENDAIファイナルを振り返り「3年生にとっては苦楽を共にしてきた同じ代最後のゲーム。やっぱり勝って終わりたかった」と話してくれた川内の跡上選手(写真左から2番目)。以降、7月上旬には豪雨による交通機関の休止などで、またも部活動が思うようにできない時期があった。7月なかば、宮原キャプテン(写真右端)から東後藤選手が主将を継ぎ、新チーム始動。下旬には川内、れいめい、鹿児島工業の3校で練習試合を行っている。「そのころチームの状態は良くなかったです。ディフェンスが全くだめ。誰かが気を抜く、さぼっている。集中力を欠き、勝ってもチームとしての勢いが出なかった」と話す跡上選手。気持ちを切り替えて、とはいっても、そう簡単にできることではない。チームを立て直す難しさは田中監督も感じていた。

川内を率いて28年目となる田中監督(写真手前)

ベテラン指揮官にとっても今季のようなことは初めてだ。「3年生がかわいそうという思いがあって、しばらくは叱れなかった。厳しくできなかった」と話す田中監督。「まあ、いつまでも叱らないわけにはいかないけどね」と笑いながら「試合のビデオを1プレイずつ、みんなで見てチェック。そこから気合いが入るようになったかな」と振り返る。とりわけ、川内OBのいる東海大九州との試合を「本当に久しぶりに格上のチームと対戦して目が覚めた」と話す跡上選手。「2、30点離されながら、最後は一桁差のゲームができた」「相手が良く走り、しっかり守り、リバウンドからの速攻、外からも入る。自分たちがやりたいゲームをやっているのを目の当たりにして、スイッチが入った」のだという。低迷期を抜け、チームが上向きになる大きなターニングポイントとなった。

ウインターカップ2020 鹿児島県予選へ向けて

3連覇中の川内。さらなる連覇を目指す!

キャプテン東後藤優志郎(中央)副キャプテン下髙牧蒼大(左)同・平野史恩(右)

「リバウンドをしっかり取って、ゲームをコントロールしたい。ひたむきに走る、全力でルーズボールを追う。そんなチームでありたいです」と語る東後藤キャプテン。普段の練習中も常に声を出し、チームメイトを鼓舞する姿が際立つ。練習ができなかった期間には、後輩と一緒に筋力トレーニングにも励み「メンタルも安定してきました」とにっこり。「全国の舞台で活躍したいです!」と、穏やかな表情の奥に芯の強さをのぞかせた。

川内の初戦は5日(木)鹿児島玉龍戦。サンアリーナせんだいで13:30開始予定。第1シード、そしてホームのサンアリーナせんだいでの戦いとなるが、川内の入るブロックは実力校がひしめき、例年以上にチームの総合力が問われる大会となりそうだ。田中監督との強い信頼関係で、この難局を乗りこえてきた選手たち。培った自信と実力で集大成となるプレーを見せてくれるはずだ。狙うは頂点、そしてその先へ。

タレント豊富なれいめい。決勝進出を狙う!

選手層の厚さは県内随一といって良いだろう。今シーズンは高身長の新入生が加わり、さらにサイズアップした印象だ。同時にスピードを誇る3年生のガード陣を持ち、多彩なオフェンスを繰り出せるのが強み。「その日の調子や相手によって、布陣を変えることができる」と川口アシスタントコーチ。タイムシェアが利くのは、4日間の連戦となる大会で有利に働きそうだ。

和田監督(右)川口アシスタントコーチ(左)。若き、れいめいOBが率いる

キャプテン君野碧(右)副キャプテン プライス叙珠亜(左)はともに2年生

プライス選手を中心に、高さでリバウンドに競り勝ちたいれいめい。ディフェンスが機能し、素早い攻守の切り替えでリズムに乗った時の強さは、1月の新人戦準優勝が証明している。

パワー、スピード、シューターと個性が光る3年生

れいめいの初戦は5日(木)大口と対戦する。姶良市蒲生体育館で13:30開始予定。第2シードとして順当に勝ち進んだ場合、7日(土)サンアリーナせんだいでの準決勝がひとつ山場となりそうだ。豊富なタレントが実力を発揮すれば、決勝まで駒を進められるだろう。

ライバル校として常にしのぎを削ってきた川内とれいめい。今の3年生の代では、1年生大会ではれいめいに、今年度の新人戦では川内に軍配が上がっている。川内とれいめい両校揃って、真のSENDAI ファイナル実現となるか。”かわいそうな代”では終わらせない。どのチームも長い空白を乗りこえ、次の一歩を踏み出す準備はできている。

ウインターカップ鹿児島県予選はサンアリーナせんだいほか各会場にて、どなたでも観戦できます(※サンアリーナせんだい以外の会場では入場制限有り)コロナウイルス感染防止にご協力のうえ、会場での観戦・応援をお待ちしています。

【放送予定】7日準決勝、8日決勝はKKB鹿児島放送のアプリ「KAPLI」にて生中継。8日決勝はバスケットLIVE!でも放送されます。

FMさつませんだいでは、8日の男女決勝・試合後にインスタライブ「熱闘!アフタートーク」を行います。サンアリーナせんだいから試合の振り返り、選手の素顔などお届けしたいと思いますので、お楽しみに!FMさつませんだいインスタグラムアカウントはこちら。れいめい、川内ともに地元一丸となって後押ししましょう。応援よろしくお願いします!