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受け継ぐ心。東大小路棒踊り保存会

薩摩川内を代表する行事「御田植祭」今年も6月11日に行われます。このお祭りでは県の無形文化財「倉野・宮内奴振り踊り」、川内みなと・寄田・東大小路の各保存会による「棒踊り」など、地域に伝わる郷土芸能が披露されます。本番に向け練習に熱の入る、東大小路三尺棒踊り保存会を訪ねました。

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今年初参加。期待の新人です!

♪アーアーア、アーエーエーイアー、サアサアサッ!公民館に独特の唄声が響きます。三尺=90センチの棒は「祝い棒」。大地を祝って五穀豊穣を祈願する農耕儀式の民俗芸能のひとつで、農民たちの踊りでもありました。東大小路地区では明治時代に、今村源次郎氏らによって始められたと伝えられています。現在の下目、泰平、大島の青年団が中心となり、新田神社の御田植祭等にて踊られてきました。

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棒を合わせる音がリズムよく響く

昭和27年の御田植祭で踊られたのを最後に途絶えていましたが、地域住民の熱意が実り、昭和61年10月、35年ぶりに復活。平成25年6月の御田植祭からは18年ぶりに小学生10名が加わり、大人と一緒に踊るようになりました。以降、新田神社での奉納踊りをはじめ、市の産業祭やコミュニティフェスタ in 可愛などでお披露目の機会を重ねてきました。可愛地区唯一の郷土芸能として代々伝承されてきたものを守ろうと、地域一丸となって取り組んでいます。

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熱血指導する福原輝治さん。父の代から指導方だったそう

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オセロ唄の歌詞。音程はまさに口承されてきたもの

唄は「オセロ唄」と「大阪唄」の2種類。オセロとは、オオシロ=大城、の変化したものだろうと福原さん。「後は山で前は大山」という短い歌詞を、オオオセエエオオ~♪と長く尾を引いて歌うのが特徴です。この唄に合わせ6人1組、偶数の踊り手で踊ります。

平成20年から保存会・会長をつとめる川畑國敏さん。
「今年は踊り手が25人、うち4人が子ども。唄・太鼓・旗が8人の総勢33名で御田植祭の奉納踊りに参加します。復活をしてからは地域の皆さんが祖父・親・孫と参加され、三世代の交流ができています。地域住民のふれあい、また日ごろから棒踊りに参加した子どもたちと挨拶を交わし、安心な地域づくりに役立つ面もあります。今年も若いお父さん、子どもの参加があり嬉しいです。踊ってみたい、唄ってみたいという方の参加をお待ちしています!」

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三世代で踊る

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子どもの衣装も完成!

6月11日の本番まで間もなく。新田神社での奉納後、公民館でのお披露目も予定しています(6月11日午後2時45分ころ、可愛地区大島公民館前)
地域に伝わる踊り、子どもたちの頑張りを是非ご覧ください。

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