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川内川の源流、どこか知っていますか?

薩摩川内市を縦横に流れる一級河川、川内川。
その源流はどこにあるのか知っていますか?
今回は「川内川の源流に看板を立てよう!」というミッションのもと行われた登山に参加してきました。

川内川の源流は、熊本県あさぎり町の白髪岳にあります。
これは、川内川流域の整備・管理を行っている川内川河川事務所が公表しているもの。
川内川にはたくさんの支流がありますが、その中で最も標高が高い位置にあるとの理由から白髪岳が源流であると定められているそうです。

今回の源流看板プロジェクトの発起人は、川内川河川事務所 川内出張所職員の安武環さん。
実は、今から遡ること約25年、平成5年に河川工事事務所(当時)が源流点を示す看板を
設置していました。
そのことを知った安武さんは平成29年、源流看板が設置されているという箇所を目指して白髪岳に調査登山を行います。
ところが看板が流失していることを確認。
「なんとか復活できないか」という思いの下、安武さんが事務所内や川内川流域の河川協力団体に
呼びかけ、川内川源流看板の復活プロジェクトが動き出しました。
廃材を利用して手作りした看板を持って、いざ、源流へ向かいます!

 


総勢24名の登山。
なかなかの大所帯です。
真ん中のブルーシートにくるまれたものが看板です。


登山口付近の様子。
しばらくは平たんな道が続きました。
天気も良く、道中には野生の鹿も見られました。


しばらく進むと登山道から沢へ通じる場所が。
ロープ伝いに慎重に下ります。

ここから沢伝いに上ってゆきます。
沢の周囲には小さな花も咲きはじめ、春の訪れを感じられます。



険しい道のり。
休憩を挟みつつひたすら登ります。
途中、靴底が外れてしまったり、水に入ってしまって足がぬれたりというアクシデントも。

全員で声を掛け合って登った先には、突然開けた場所が。
源流看板を設置する地点です。


いよいよお披露目。
制作者の安武さん。
設置の時を前に心が踊ります。


ロープを使って木に結び付けます。
雨風にも耐えられるように、しっかりと。


設置完了!

・・・・・・実はここで終わりでは無く、ここからさらに山頂を目指します。
ここから先の道のりが思いの外険しく、「この角度をどうやって歩くのか・・・・・・」と疑問に思うような山肌を登っていきます。


上まで登ると良い眺め。
鹿児島・宮崎・熊本の山々を一望できます。

ここからさらに登り、山頂を目指します。
ここまで来ると、あとは自分との戦いです。


踏ん張って登った先には山頂であることを票す看板が出迎えてくれました。
ここでお昼休息。
山頂にて皆で囲んで食べるお昼ごはんは格別です。


そして下山。
下る際は通常の登山ルートを利用します。
緑に囲まれた道を進みます。
登山道周辺の木々には看板が掛けてあり、何の木なのか見ながら進む楽しみも。


休憩所もこしらえてあります。
しばらく下ってふもとに着いたのは14時30分。
活動距離7.7km、活動時間5時間の山登りでした。

今回、看板設置という大仕事が完了しましたが、源流看板復活プロジェクトはこれで終わりではありません。
これから梅雨や台風で雨の多くなる時期。
倒木や雨での流失など、考えられるリスクは様々です。

「『看板を復活させたい』という個人的な思いから始まり、最終的にこんなにたくさんの方々の協力を得て、源流看板復活を実現することが出来た。これを機会にもっと山や川を好きになってもらって、
山好き・川好きの人たちで協力して、これからも看板を見守っていけたら」と安武さん。

「山登りが好き」「楽しそう」「源流を見てみたい」
今回参加した方々の参加理由はさまざまです。
参加理由も、年代も性別も、普段生活している場所もばらばらの人たちが「源流に看板を設置する」という共通の目的の下、山に登る。
道中、山登りに不慣れな人を熟練者が助け、協力し合って全員無事に源流までたどり着き、そこからさらに頂上を目指し、ふもとにたどり着きました。

川内川を見守っていくのは流域に住む人々。
背景はみんなばらばらですが、「川を守ろう」という共通の目的があれば、
川の下に集まって協力することもきっと、出来るはずです。

 

 

井戸端ミックス
中川文香